白百合のはらわた 文字のみの詩 2024.07.14 花屋の前を通ったわたしの皮膚が掴みとった饐えた香り甘いような酸っぱいような不愉快な香り 花屋からいくつかの花の入ったバケツが飛びだしているのは死んだ動物のはらわたが飛びだしているみたい こんな醜いものを美しいと呼べるひとがわたしを置いていってしまうんだ 白百合のはらわたに噎せながらわたしはそれをお金で買った不愉快な香りを腕に抱いて知らない人の所へ行かなくちゃ こんな美しいものを醜いと呼んでしまうわたしをみんなが置いていってしまうんだ 23.07.24